It Made My Day

Acutally, my whole life is just one big yak shaving exercise.

読書メモ 2023年6〜10月

大学院やら転職やらで忙しさにかまけてブログをサボっていた。この半年ほどは、転職を機に自分のエンジニアとしてのキャリアや中長期的な目標について考えるようになり、STAFF ENGINEERなど技術書以外にも色々読んでみた。しかし、キャリアや自己啓発系の本は他人におすすめできるかまだわからないので一旦ここでは紹介しないでおく。

Go言語 100Tips ありがちなミスを把握し、実装を最適化する

Goの仕様書やら公式ブログやらコードやらを色々読み漁って勉強してたことが全部書いてあって、本当に最高だったし早く読んでおきたかった...。翻訳も読みやすかったし、説明の仕方もとても理解しやすくて良い本だった。

システム設計の面接試験

有名なアルゴリズムや設計事例の概要を説明しており、私が学位を持っていないのでどの程度有益かはわからないものの、もしかしたら大学などで既にCSを学んだ人にはやや得るものが少ないかもしれない。この本の説明だけで得た知識ではなかなか技術面接を突破するのは難しいかもしれないと感じたが、よく見るテーマを集約して外部記事へのインデックスを貼ってくれているだけでも十分良い本だと思った。個人的には、行間からも学べる文章でよく外資系の面接対策で使用されるウェブのリソースよりも勉強になったし、注釈に貼られているビッグテック企業のテックブログなどのリンクを辿るのも楽しく、知識を定着させるため理解が浅いところや詳細を調べながら読めてとても良かった。

SAML入門

趣味で読んだが、ググったりしてもふわっとした理解しかしていなかったので、体系的に理解できる本があるのはとてもありがたいと思った。SSOログインを使ったことがある人ならイメージしやすいだろう。

最高の脳で働く方法

うまくいくときとそうでない時に自分の脳で何が起こっているのか、それをどうコントロールすれば良いかを、脳の機能をベースに順を追って説明している本。例えば仕事中に散歩に行くと良いアイデアが思い浮かぶとか、職場でのフィードバックにストレスを感じるとか、そういう現象がなぜ起こっているのかを知ることで、人間の社会的活動において脳が発する信号を意図的にコントロールするにはどうしたら良いかを、ケーススタディを解説する形で提案している。多少都市伝説的に聞こえなくもない説明もあるし、脳のこの部位がどうみたいな説明は読んでいると退屈になることもあるかもしれないが、読み進めると他人や自分の思考や感情を手探りで理解しようとしていた時期に考えていたことと近い内容も多く、知っておいて損はない内容だっと思う。特に面白かったのが、自分の脳の活動を客観視するツールとしてマインドフルネスが有効という話と、生存欲求を感じる脳の部位は社会的欲求にも同様に反応するという話だった。後者については、社会における確実性、自律性(自分で決めた、という感覚)、(他者との)つながり、公平性の4つは人間の一次的欲求と同様に強い情動を引き起こすとしており、社会人としてのプライドで片づけるには複雑すぎる人間関係の微妙な軋轢を思い返し納得感があった。